VMware EVO:RAILは、VMworld 2014で発表されました。 VMware EVO:RAILは2Uの筐体に4ノードのサーバが収納されたハードウェアアプライアンスです。VMware自体がハードウェアを提供するわけではありません。ハードウェアパートナーがEVO:RAIL仕様のハードウェアを供給し、VMwareがソフトウェアを提供します。 EVO:RAILではvSphere環境のメインストレージとしてVSANが利用されることになります。VMware EVO:RAILは15分でセットアップでき、ESXiとvCenterが導入され、簡単に管理することができます。4ノードのハードウェアは一つの筐体で提供されます。各ノードには2ソケットのCPUと192Gbのメモリが搭載されています。内蔵ストレージはSSDとHDDで構成され全部で16TBとなります。VSANがベースとなっていますのでSSDとHDDが最適化されて利用できます。価格には、ハードウェア、ソフトウェアに加えてそれぞれのサポートをも含まれており、ストレージ、プラットフォーム、ソフトウェアなど別々に購入するよりもメリットがある価格設定になっているようです。ソフトウェアとしては、vSphere Enterprise PlusやvCenter Serverに加えて、vCenter Log insightという製品も提供されます。
VMware EVO:RAILとは
- VMwareが提供しているアプライアンス
- ストレージはVSANを利用
- 既存のvSphere環境と100%互換性 もちろん拡張も可能です。今回のバージョンでは4ノード毎の拡張になります。
EVO:RAILS専用のGUIも提供されています。デモを見る限りでは、使いやすいインターフェイスが提供されており、vSphere Web Clientよりも簡単に利用できるようです。
ハードウェア
EVO:RAILSに最適化された2Uの筐体に4ノードが搭載されたハードウェアがOEMパートナーから提供されます。
ノード毎のリソース
- CPU:Intel Xeon E5 2620v2 CPUs(6 core) x 2
- RAM:192GBまで拡張可能
- PCI-E: 1x 1スロット
- DISK:VSAN対応コントローラ(pass through)
内蔵ストレージ
- 1 x 146 GB SAS 10K-RPM HDD or 32 GB SATADOM (ESXi起動用)
- 1 x SSD up to 400 GB (VSANキャッシュ用)
- 3 x 1.2 TB SAS 10K-RPM HDD (VSANデータ用)
ネットワーク
- 2 x Network – 10 GbE RJ45 or SFP+
- 1 x Management RJ45 – 100/1000 NIC ハードウェアのイメージは以下の図のような感じになります。
注意点としては10Gbのスイッチが必要になります。VLANで分割して、vMotionやHAなども含めて利用する設計が必要です。 ソフトウェア EVO:RAILSはVMwareが初めて提供する集約型のアプライアンスです。EVO:RAILに以下のソフトウェアがバンドルされ、ハードウェアパートナーから提供されるハードウェアにインストールされて出荷されます。
- EVO:RAIL Deployment, Configuration, and Management
- VMware vSphere® Enterprise Plus, including ESXi for compute
- Virtual SAN
- vCenter Server™
- vCenter Log Insight™
簡単な設定 – EVO:RAILで提供される三種類の設定
設定や操作はFlashではなくHTML 5ベースのインターフェースで実装されていますので、HTML 5互換のブラウザーであればどのデバイスでもオペレーションすることが可能です。設定は以下の三種類の設定が提供されます。
- Just Go – すべての設定は自動で行われます。IPアドレスも他の情報を参照して自動的に設定されます。”greek filed”設定を利用するとユーザ側での設定は一切行う必要がありません。ただし、RJ-45のケーブルを接続することが必要です。
- Customize Me – この設定では、ホスト名、ネットワーク、パスワード、 シスログ、その他(time zone、NTPサーバ、DNS、AD、プロキシなど)一通りの設定が必要になります。
- Upload Configuration – USBメモリに設定したファイルをもとにセットアップを実行します。設定ファイルは、JSONまたはXMLで記述できます。 EVO:RAILのソフトウェアは設定情報をもとにESXi、vCenter Serverなどをインストールします。続けて、VSAN、HA、vMotionなどの設定も行います。実際のオペレーションは、何度かクリックするだけです。以下は、HTML 5の初期化画面となります。
マニュアル設定 – ESXiのホスト名のパターン、vCenterの情報、ドメインの情報などを設定します。画面は以下の通りです。
VMネットワークの設定は以下の通りです。
EVO:RAILの運用
EVO:RAILSのソフトウェアはインストール・設定だけでなく、仮想マシンの作成、運用も行うことができます。操作画面は、vSphere Web Clientのように複雑なものではなく、最小限の構成になっています。以下のスクリーンショットは全体の正常性を確認する画面です。すごくわかりやすいですね。もし、より詳細な情報が必要な場合は、vSphere Web Clientにログインして確認することも可能です。
次のスクリーンショットは仮想マシンの作成の例です。ウィザードを利用して仮想マシンのサイズを指定するだけで仮想マシンを作成できます。EVO:RAILの操作画面はだれでも利用できるようになっています。
もちろん、仮想マシンを作成した後の運用も操作画面から行うことが可能です。仮想マシンのクローンなどのオペレーションも可能です。
この画面は、ライセンス入力と言語設定となります。ライセンスキーは単一のライセンスキーが必要です。また、ESXiホストとvCenterのログもダウンロードすることができます。
4筐体(16ノード)という制限はありますが、ハードウェアを追加することも可能です。また、ノードの制限は将来的には解消されるでしょう。
ハードウェアの障害復旧について
VSANの技術をベースにEVO:RAILは構成されています。当然ですが、ノードが壊れてもデータが損失することはありません。ノードに障害が発生した場合でも、VSANの技術でデータは自動的に保護されます。
必要なネットワーク環境
EVO:RAILを利用するには、10Gbのスイッチが必要となります。また、各ネットワークトラフィックはVLANに分割して運用することが推奨されています。加えて、VSANではL2のマルチキャスト(IGMP SnoopingとIGMP Querier)が必要となります。IPv6も利用可能です。Management用およびvSphere vMotion用のネットワークにIPアドレスとVLAN IDの設定がひつようです。
新規ノードは自動的に検出されます。以下のスクリーンショットは、設定にエラーがあった場合の例です。
以下のスクリーンショットはvCenter Log Insightと統合された場合の画面です。
設定途中の画面です。4ノードの設定は15分ぐらいで完了します。15分ぐらいの間に200以上の設定が自動で実行されます。手動でやっているとどれぐらいの時間がかかるか想像できません。
EVO:RAILは、2014年の第四四半期に各パートナーから出荷される予定です。
この本文は、以下のURLをベースに翻訳して掲載しています。 http://www.vladan.fr/vmware-evo-rail-new-hyper-converged-solution-vmware
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